「座布団」フェチに秘められた……


2007年12月20日(木)、第70回『ちりとてちん』。
いよいよ、徒然亭草々のルーツが、明らかになりました。


15年前。京都の民宿で開いてはった落語会で、ツメいりの学生服を着て、最前列に陣どっていた少年が、リトル・草々です。
ひと目でわかります。だって……。ソックリなんだもん、ビッグ草々と!
どうやって探してきたのか? 青木崇高さんの甥っ子か、なんかじゃないですか?


「今日も、来てましたね」
「えらい熱心な子やな」
「きっと、弟子にして下さい、言いよるますで」
若かりし草若師匠(渡瀬恒彦)と、やっぱりサッパリ・ヘアの草原にいさん(桂吉弥)が噂していると、案の定、キタキタキタキタキター!
でも、挨拶もせんで部屋に飛び上がると、座敷においてあった座布団にスリスリして、そのまま眠ってしまいます。


聴けば……。
亡くなったお父はんは、フトン職人。そして、高座で使うてはる座布団こそ、お父はんが丹精こめて作りはったもの、なんやそうです。
つまり。落語を聴きにきていたんじゃなくて、座布団を見に来ていた、とゆーわけ。
しっかし、つい調子にのって、1回聴いたっきりの落語を、そっくりそのままマネしちゃったりして。
「この子は、タダモノはない」。そう直感した草若・師匠は、居住まいをただし、深々と、こうべを垂れ、
「お願いがあります。私の弟子になって下さい」。
天才肌の落語家だったんですね。


そんな思い出話を、草原にいさんが、B子(貫地谷しほり)にしている、そのころ。
草々は、チワワ(= 小草若ちゃん → 茂山宗彦)のマンションを訪ね、「ホンマにオレが、殴ったや」(つまり、オレが殴ったことにしておいて、一門会を成功させろ)と言い残して、背中を向けました。


本日放送分には、2席の上方落語が、織りこまれていました。
そのうちの1席を、のちほど、ご紹介しましょう。