「ピーチク・パーチク問題」(その4) 「NHK大阪」篇
とはいえ。じゃ、ピーチク・パーチクでも、
「まっ、いっか」となるかどうかは、別問題です。
ドラマづくりでは、リアリティのあるなしは、
大きなウェイトを占めます。
「100%、正確に」はムリにしても、
1990年代の上方落語の世界を
舞台にしているからには
特に落語の再現シーンについて、
万難をはいす必要があります。
「白い巨塔」で、手術シーンがメチャメチャだったら。
「ドラゴン桜」で、実際にはありえない入試問題を解いていたら。
ストーリーの大きな展開をさまたげるものではないとしても、
「安易なドラマづくり」という
そしりを免れえないのではないでしょうか。
この点では、言うまでもなく。
実際に、1990年代には、
使われていない言い回しで撮影している点で、
「不可」というしかありません。
さらには。
「ステラ」のインタビューがなければ、
その累が脚本家に及ぶ危険性があったのですから、
責任は重大です。
たまたま「ステラ」のインタビューを
読んだ人は、まだいいです。
しかし、渡瀬さんのアレンジだった
という事実を知らず、
「ピーチク・パーチク」は
ホンマもんの落語とは違うらしいよ、
という知識だけをえた方々にとっては、
「この脚本家、上方落語をロクに知らないのに、ドラマを書いてる」
という濡れ衣をきさせられる恐れさえ、あったわけです。