松たか子の「初舞台」は、落語?

ピンポンパン、ポーン。
業務連絡、でーす。


(その1)
12月31日(土)、朝6時〜6時半。
NHK総合日本の話芸」にて、
柳家小三冶の「うどんや」が放送されます。
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=501&date=2007-12-31&ch=31&eid=32701


(その2)
昨12月28日(金)。朝日新聞の夕刊(東京版)に、
リナックスカフェ社長の平川克美さんが、
柳家喬太郎・師匠について、コラムを寄稿しています。
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古典、新作と区別される落語の世界であるが、喬太郎はどちらにも定評がある。私は、小ゑん、喜多八、喬太郎遊雀に注目している。他にうまい人、面白い人はたくさんいるが、現代落語の真髄を見たければ、この4人は外せない。中でも喬太郎はもっとも現代的な噺家だ。粋であり、同時に批評性が冴える。
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簡潔にして明快。
的確に、ポイントを抑えた文章です。
平川さんのブログでは、喬太郎とバロック。 | カフェ・ヒラカワ店主軽薄 - 楽天ブログ
喬太郎師匠については、タケノ子さんが、
12月23日ブログ ケータイで、「両刀づかい」の実力者・喬太郎師匠の新作を! - 「ちりとてちん」徹底解剖ブログ で
ご紹介しています。
2008年1月20日まで、喬太郎師匠の
40分間におよぶ新作「ハワイの雪」が、
ケータイで聴ける
配信サイト「熱演落語」には、

こちらから、どーぞ → http://knavi.goo.ne.jp/1500/e/11/



さてさて。
ドラマでの季節と、実際の時間を、ピタリとあわせ、
ちりとてちん」も、中入り(休憩)となりました。


何かと気ぜわしい時期では、ございますが、
ちょーど、年末にピッタンコ
というより、「ザッツ・年の瀬!」という
人情ばなしをご紹介いたします。


12月21日ブログでは、年の瀬の名作「芝浜」を
ご紹介いたしましたが、
暮れの定番「芝浜」を権太楼で - 「ちりとてちん」徹底解剖ブログ
文七元結」も、
「芝浜」に、勝るとも劣りません。
「芝浜」が、年末のカルティエとすれば、
文七元結」は、年末のロレックスという1席でございます。


「元結」(もとゆい)とは、江戸時代のヘアバンド。
ただしタイトルでは、促音便いたしまして
「ぶんしち もっとい」と、通称いたします。


大ネタという点では、「芝浜」をはるかに凌駕する
スケール感があります。
「芝浜」には、長屋と海岸の2場面しか
ございませんでしたが。
文七元結」は、


・ 左官(外装職人)の長兵衛さんのボロ家
・ 吉原の大店(おおだな)
・ 吾妻橋
・ 鼈甲問屋(べっこうどんや)
・ 再び、長兵衛さんのボロ家


と、廻り舞台のように、めまぐるしく変わります。
こと、野外である吾妻橋を、挟んで、
「 貧乏 → 華やか → 折り返し点
     → お金持ち → 貧乏 」。
この5部構成が、美しい。


ストーリーものですから、
詳細は、省きますが、
ぜひとも、ご注目していただきたいのは、
吉原の大店の女将さん。
バクチ好きの長兵衛に向かって、
クールに述べる
ありがたくも、キツーいひと言は、
落語では、珍しい
「自立した女性キャラクター」と
いえますまいか。
歌舞伎じゃ、多いのですけれども。


あっ、歌舞伎といえば。
文七元結」は、
歌舞伎でも上演されることがありまして、
1993年に長兵衛の娘・おひさ役で
初舞台を踏んだのが、
当時、16歳の松たか子でした。
この舞台、見てます。
でも、この時、松本幸四郎の次女とは、
記憶には、残りませんでした。
強烈な印象を残したのは、
2年後の1995年、
銀座セゾン劇場の「ハムレット」での
ヒロイン・オフェーリア役でした。
ただし、この芝居、
朝日新聞の演劇評にて、
「アトリエの演技を見ているよう」(たしか、こんな表現)。
つまり、演技がぎこちない
と低評価でしたけど。


さて。
推薦ディスクですが。
古今亭志ん生・盤にトドメを刺して
いいでしょうか?
長兵衛さんの心理描写(リアリズム)から、
ドタバタ場面のデフォルメまで、
よいではないか、よいではないか。


現役盤は何種類も、ありますが、
このシリーズには、ハズレが少ない
NHK落語名人選」シリーズの
ユニバーサル盤を。
[rakuten:rakugo:629333:detail]



志ん生文七元結」のオススメ度(☆5つが満点。★は0.5点)
ストーリー   ☆☆☆☆☆
爆笑度     ☆☆☆★
初心者向き   ☆☆☆


この音源には、思い出がございまして。
「ちりとて」のおじいちゃん(米倉米加年)が
愛宕山」のテープを、聴きつづけたごとく。
マメ太郎が幼少のみぎり、NHKラジオで放送され、
エアチェックしたカセットテープを、
暗記するほど、聴きこみました。
その音源を、初CD化したものです。


B子ほどには、劇的にではございませんが。
このテープ、マメ太郎の人生を変えました。
それは……。
冒頭、「飲む、打つ、買うの三道楽のうち、
一番いけないのは、バクチでございまして」。
このひと言が、づっと心に残り、
いまだに、バクチ(競輪・競馬・競艇)には、
コワくて、手が出せないでおります。