8時半からのアナウンサー


知り合いの女性・聖子ちゃん(仮名)から、
電話が かかってきました。

…………………………

「マメちゃ〜ん、お元気ぃ?
 あのさぁ、『ちりとてちん』、
 8時15分から やって、
 8時半から ニュースになるじゃない。
 あのアナウンサー、
 『ちりとて』 見てるんだよね」

…………………………

マメ太郎は、衛星放送で見てるのですが、
ってなエピソード、
どなたかのブログのコメントで
読んだような記憶がありました。
で?

…………………………

「今朝の、見て、
 見てるって、確信した。
 あのね、今朝のは、
 最後、ヒロインと和久井映見が、
 抱き合って、
 ボロボロって 終わり方だったでしょ。
 それで、ニュースになったらね、
 アナウンサー、
 涙目なの。
 で、なんか言葉につまってる様子で、
 ウルウルしちゃって、
 ハイ って、
 自分を落ち着けちゃったりして。
 大笑い」

…………………………

とゆうわけでぇ。
とり急ぎ、お伝えしようと思ったのですが、
なにやら、
すでに、ネットでは、
話題なのだそうですね。


これは、明日の最終回もさることながら、
アナウンサーのリアクションにも
注目せねば。

地球滅亡の日(番外 ドラマ篇) 「六羽のかもめ」

ちりとてちん」徹底解剖ブログの
棹尾(とうび = 最後)を飾る 超大型企画!


地球滅亡の日、
遠藤マメ太郎は、どの落語を聴きながら、
その生涯を 終えようとするか!
→ 地球滅亡の日、「寿限無」を聴くか? - 「ちりとてちん」徹底解剖ブログ


なのですが。


ベストワンの発表を前に、小休止して。
「地球滅亡の日に もう一度見たいドラマ」を
リストアップします。
サクっと。


これは、ですねぇ。
生涯のベストワンですと、
倉本聰・脚本の『六羽の かもめ』になります。
もちろん倉本ドラマの ベストワンだと思います。
とかいって、「北の国から
1話も 見てないのですが。


ただ、問題は、
『六羽の かもめ』を、
地球滅亡の日、残り24時間に見たいかどうか、
これが、大問題でございまして。


結論、ドラマは見ない。
終わり。
では、あまりに芸がないので、
興味もないでしょうけど、
一応、個人的な歴代のベストテンらしきものを
挙げておきますね。


○ ぶらり信兵衛 道場破り
○ マーねえちゃん
○ 熱中時代
○ 白い巨塔田宮二郎バージョン)
○ 黄金の日日
○ 鳴門秘帳
○ 男たちの旅路
○ 浮世雲
○ 虹子の冒険
○ 六羽のかもめ 

ビートきよしが いなくても


2008年3月27日(木)、第149回「ちりとてちん」。
おとといの「147」は、素数ではござりませんでした。
49×3=147


そして 「149」ですが。
たんに素数であるだけではなく、
反対の 「941」も、素数なんですって。
さらに、
「1」「4」「9」は、
それぞれ、「1」「2」「3」の2乗。
おお、美しきかな。


さて。
ひぐらし亭」が、オープン。
若狭(貫地谷しほり)は、照明係を 拝命。


箸があってこそ 弁当が たべられる。
お母ちゃんがいてこそ 子どもは育つ。
縁の下の力持ちがいてこそ 高座がはえる。
ビートきよしがいなくても ビートたけしは面白い。


というわけで、
ドラマは、
「人生 脇役こそが 肝心」とゆう結論に
集約されそうな 気配です。

総合17位


先週3月17日(月)〜23日(日)
ビデオ・リサーチ調査
関東地区の視聴率ですが。


総合2位   篤姫       23.5%
総合7位   斉藤さん     19.6%
総合8位   薔薇のない花屋  19.4%
総合15位  相棒       17.8%
総合17位  ちりとてちん   17.6%

地球滅亡の日(その9) 金原亭馬の助の「棒だら」

ちりとてちん」徹底解剖ブログの
棹尾(とうび = 最後)を飾る 超大型企画!


地球滅亡の日、
遠藤マメ太郎は、どの落語を聴きながら、
個人的ベスト・ミュージカルは、
ジョナサン・ラーソン作『レント』か、
それとも
ロイド・ウエバーの『サンセット・ブルバード』か、
決めかねる
その生涯を 終えようとするか!
→ 地球滅亡の日、「寿限無」を聴くか? - 「ちりとてちん」徹底解剖ブログ


スト2に、これを選ぶ人は、いないでしょう。
しかし、強烈なのです。
酔っ払いの噺です。
と、同時に、世相批判を 秘めております。


初代・金原亭馬の助さんは、昭和3年、東京生まれ。
昭和50年、48歳の若さで 没します。
五代目・古今亭志ん生の門下です。


お噺は、と申しますと。
ここは、料理屋の2階。
襖(ふすま)をへだてて、
2組が 呑んでるのですが。


いちじく組さんは、江戸っ子ふたり。
うち、ひとり「江戸っ子B」は、酒乱(しゅらん)。
すごい カラミ酒です。


もう一方の らっきょう組さんは、鹿児島県人会。
元・武士らしく、羽振りが良い。
篤姫」みたいな鹿児島弁 丸出しです。
ちなみに 時代設定は、明治です。


鹿児島県人会が、
「百舌(もず)のくちばし」という
謎の拳(けん = お座敷遊び)を 絶叫すれば。
江戸っ子Bは、
「ウラの窓から コンニャク なげて
 コンニャク(今夜こい)との 謎かしら」という
都都逸(どどいつ)で 対抗します。


鹿児島県人会も、負けてません。
「十二ヶ月」という必殺ワザを 繰り出します。
「お正月(おしょうがち)は〜、松飾りぃ(まちかざりぃ)
 二月(にがちぃ)は、初詣(はちもうでぇぇ)」


この「百舌のくちばし」(もずのくつばす)、
そして「十二ヶ月」(じゅうにかげち)、
強烈です。
なんだか、ワケわかりません。
でも、意味あるんです。


とにかく、
いまや、この「江戸っ子B」のような
筋金入りの 酔っ払いになってしまったマメ太郎の
将来を 予感させるような、
「棒だら」との 出逢いだったのです。


さて、
冒頭に申し上げた 「世相風刺」ですが。


ご維新(明治維新)になってですね、
花のお江戸には、
薩長土肥(さっちょうどひ)
すなわち 鹿児島と、山口と、高知と、熊本の
勤皇の志士たちが、
ドカっと、流入いたしました。


で、当然、羽振りがいいわけです。
で、当然、土着の江戸っ子は、面白くないわけです。
で、勤皇の志士たちを、
「イケてないじゃん」と 笑っていたわけですよ。
「棒だら」は、まさにそんな1席でして。


ま、こ〜ゆ〜と、
すぐに、


「落語とは、すぐれた文明批評でもあった」


「言論が公にできない 不平不満を、
 庶民は、大衆芸能というオブラートにくるみ
 ひそかに 笑い飛ばしていたのである」


という 結論にみちびき、
悦に入る方々も、いらっしゃいますが、
そんな たいそうなことではなくて。


まず、「江戸っ子B」と「鹿児島県人会」の
仁義なき戦い
どっちが悪いでしょうか。


もし、裁判員制度が導入されて
マメ太郎が、選ばれたら、
「江戸っ子B」に 懲役3.14年です。
悪いのは、こっちです。
鹿児島県人会は、もちろん無罪放免です。


で、
この1席を 最初にきいた30年も前から、
現在にいたるまで、痛感することは。


新体制と 旧体制とは、常に対立し、
旧体制は、新体制を クサすことで、
鬱憤(うっぷん)を 晴らそうとする。


そして、
フランス革命や、
明治史・昭和史が 示す通り、
新体制は、たちまち 腐敗し、旧体制化します。


そんな歴史の必然を、
マーラー、ダントン、ロベス・ピエールも
西郷さんも、乃木将軍も、安倍晋三さんも
登場することなく、
「棒だら」は、
料理屋の2階という 空間のみにおいて、
見事に 象徴描写しているのです。


そんな歴史を、リアルに感じさせてくれるのは、
 ↓ 意味不明だと思いますが、


「タヌキゃ、ってえのは、おめえか?」
「ポンポコってえのは、てめえか?」


これら、実際にあったであろう
明治初年のセリフを、
いまなお、説得力もって
「ありそう」と思わせる
馬の助さんの 確固たる話芸があればこそと
存じ上げ奉りますです。


馬の助さんの「棒だら」、
カセットテープ紛失の のち、
長らく 聴けずにおりました。
ポニーキャニオンから、「馬の助 名演集」シリーズが
出ていたのですが、それにも収録されてませんでした。


しかし、
待てば カイロとカルカッタ
10年ほど前、


協力:星企画
発売 販売:ゲオ販売


というクレジットにて、
古典落語の巨匠たち」というシリーズが
刊行されまして、
その中に、「うどん屋」「牛ほめ」とともに、
収録されたのです。


「昭和40年前後」 とだけ記され
収録日は不明ながら、
東京・上野の鈴本演芸場でのライブ収録。
昔きいた カセットテープのスタジオ録音盤と
細部にいたるまで、
同じ内容でした。


この日のトリをとっていることが、
マクラからうかがえ、できばえも グー。
めでたく、地球滅亡の日にそなえることが
できたとですたい。
ありがとう、星企画、ゲオ販売。

出た! 順ちゃんの大予言


3月26日(水)、第148回「ちりとてちん」。
148 の語呂合わせとしては、
「伊代は(1・4・8)、まだ、16だからぁ」。
それは、ともかくとして。


残り、あと4回にして、
若狭(貫地谷しほり)のオメデタ とゆう
慶事がございましたが、
オメデタにつきものとゆえば、
「つわり」。


打ち合わせしてても、
お稽古してても、
サッパリとした越前そば たべても、
ダメ。


見かねた糸子さん(和久井映見)は、
ひぐらし亭のオープニングには、
休みなはれ と諭し、
草々(青木崇高)も、そうそう、と。


ガーン。
高校時代の学園祭で、
三味線が弾けなかったために、
照明係として、
人気者のA子(佐藤めぐみ)に
スポットライトを 当てていたことが、
走馬灯のように よみがえります。


なんと間の悪い女やろと
悲しみに打ちひしがれる
若狭でしたが、
そこに登場したのが、
いざってぇ時に たよりになる
おさななじみの 順ちゃん(宮嶋麻衣)。


順ちゃんの予言は、
なぜか的中するのですが、
そのご託宣は、


「屈辱の学園祭とは ちがって、
 まがりなりにも、
 13年間、修業をつんできたんやから、
 今回は、かならずや、
 新しい地平が開ける」


自信満々ですが。
これで、あと3回。
小屋のオープン初日が、明日(木)で。
出産当日が、(金)、
そしてエピローグが、最終回の(土)でしょうか。


さて。
本日の 妄想シーンで、
若狭の娘が、
「どうせ、私は、青木家の 貧乏神ですから」と
憎まれ口を たたいておりました。


唐突ですねぇ
「貧乏神」(びんぼうがみ)とは。
「厄介者」(やっかいもの)とか
「ごくつぶし」
なら、ぴったりなのですが。


これは、やはり
上方落語「貧乏神」を 念頭においた
せりふ なのでしょうか。


「貧乏神」は、
桂枝雀さんに 多くの新作落語を提供した
小佐田定雄さんの書き下ろし作。
[rakuten:book:11606808:detail]


生粋の 怠け者にとりついた貧乏神が、
炊事・洗濯・掃除いっさいをやらされ、
コキ使われながらも、
小さなシアワセを 見出してしまうという
爆笑系の1席です。


噺の でき不出来は、ただ1点、
貧乏神の 人物(神さま?)造詣に
かかって参りますが、
まぁ、枝雀さんの 貧乏神ぶりといったら!


枝雀ファンによる
「枝雀落語の人気キャラ」投票を行えば、
たびん、
第2位に ランクされることでしょう。
ちなみに、1位は、
マツモト・トメゴロウという男でしょうが、
この人物については、
必ずや 3日ほどのちに ご紹介いたします。

地球滅亡の日(その8) 桂米朝の「風の神送り」

ちりとてちん」徹底解剖ブログの
棹尾(とうび = 最後)を飾る 超大型企画!


地球滅亡の日、
遠藤マメ太郎は、どの落語を聴きながら、
サッカーの欧州選手権「1996年イングランド大会」の準決勝
「ドイツ VS イングランド」戦を、
ベストマッチと定める
その生涯を 終えようとするか!
→ 地球滅亡の日、「寿限無」を聴くか? - 「ちりとてちん」徹底解剖ブログ


ベスト3は、桂米朝さんの「風の神送り」です。
[rakuten:rakugo:685198:detail]
かぜのじんそうり、ではなく
「かぜのかみ おくり」。
「風邪」のことです。


町内で、悪い風邪がはやっているさかい、
それを送ってしまえば(ポイとやっちゃえば)、
流行もおさまるのやないかと、
医学が発達せなんだ 時代には、考えよったんですな。


その昔、ラジオからエアチェックした音源では、


「今日は、古い中でも
 とびきり古いお噺を 聞いていただきますが
(小拍子が、チョーン!)」


という冒頭で、始まりましたな。


すっかり埋もれていた噺を、
先人からの聞き伝えや、
文書(もんじょ)での記録をたよりに、
米朝さんが、昭和42年ごろに復活させた
上方落語です。


この1席も、落語によくあるパターンでして。
「風の神送り」という町内イベントを行うために、
町内の有志が、相談役のおやっさんと 連れ立って、
あの家、この家をまわって、
イベント運営費を、集金するというのが、
噺の骨格でございます。


竹の子医者(まだ ヤブにも、ようならん)が、
「いらざることを さなるな」と諌めたり、
(↑ はやり風邪で、もうかってるからです)
ひどいケチのところで、ひどい目にあったりと、
1軒1軒
ひとりひとりが、キャラ立ちしてます。


あるダンナに囲われている2号さんとこにも、
集金に参りまして。
ま、金には不自由してませんから、
1分(いちぶ)という
たいそうな金額を
寄付してくれます。


それに喜んだ 町内の若い衆は、
奉加帳(ほうがちょう。寄付金を記録するノート)にですね、


「おてかけ様、様、様、様、様、様と、
 様の字、5、60書いて、
 町内を、ワーっと 練って歩こ」

まったく意味のないことをゆうて、
悦にいっております。
これが、無条件におかしいのです。


また、特筆すべきは、相談役のおやっさん
落語にでてくる おやっさんやご隠居さんは、


・ 偉そうにしていて、じつは腑抜け(ふぬけ)
・ やっぱ、たよりになる


2パターンに 大別できます。
落語史上、もっとも頼りにならず、
また、マルキ・ド・サド作『美徳の不幸』の
ヒロインである ジュスティーヌのごとき
悲惨な一生を終える おやっさんには、
落語「ふたなり」の おやっさんが いてますが。
[rakuten:rakugo:685368:detail]


この「風の神送り」にでてくる
おやっさんこそ、後者の代表格にして、
これぞ! ちゅう
カッコええ おやっさんです。
ねぇ、おやっさん
そうやな、おやっさん
たしかになぁ、おやっさん


この上方落語
盛り上がりがあるわけでも
ドラマが展開するわけでもない
なんとはない1席ではございますが。


すがすがしい。


風邪で弱っている人を 励まそうと、
不審の目でみられながら、
町内中をまわって、寄付金をあつめて、
賑やかに、風の神のハリボテ人形を、
河に 流す。


そうですねぇ、
プラザ合意に 端をはっした円高ドル安への誘導、
ならびに 余剰資金の不動産と株式への投下により
バブルという時代になってから
すっかり なりをひそめた
「地縁」ゆうもんを、
地球滅亡の日に、しみじみ振りかえってみたく存じます。


そして、その折には、
せっかくですから、


コクヨのノートに、
「おてかけ様、様、様、様……」と
様の字、5、60書いて、
町内を 練って歩いてみたく 存じます。