池田の「いのかい」じゃなくて


昨日放送分、
平成12年(2000年) 12月14日に
居酒屋「寝床」でひらかれた 徒然亭一門会には、
こんな看板が 立っておりました。

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小草々  子ほめ
若狭   創作落語
四草   池田の猪買い
草々   かけとり

(中入り)

草原   時うどん
小草若  はてなの茶碗

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ほとんど、これまでのブログで採りあげた参りましたが、
ただ1席。ノーケアだったのが、
上方落語「池田の 猪買い」(いけだの ししかい)。
「ししかい」とゆいます。「いのかい」じゃなくて。
この読みに ならえば、


燃える闘魂    アントニオ・ししき
東京都副知事   ししき・なおき
青ドラエモン   ししぐち・くにこ
共産主義の系譜」ししき・まさみち


「池田」ゆうのは、
山びこ打線(徳島県の 池田高校)でも、
「貧乏人は、麦をくえ」(池田勇人・首相)でも
まして、ラッキー でもございませんで。
現在の 大阪府池田市のことです。


落語「池田の猪買い」も、例によって、
アホなおやっさんの 珍騒動記。
身体が冷えて 困っているところに、
フレッシュな猪の肉を食べたらええで、と教えられ
池田の猟師のもとに 参りますのでございます。


ただ、「時うどん」(= 時そば)や
「子ほめ」に登場する アホなおやっさんは、
教えられたことを間違えるタイプですが。
この おやっさんは、
ワンテイスト(ひと味) ちがっておりまして。


物事を 根源的に突き詰める アホです。
で、すごく負けず嫌いな アホです。
いまの世の中で、いえば、KYとでも申しましょうか。


池田まで行くのに、
大阪から、いったん和歌山にでて、
それから 池田に行こうとします。
まぁ、東京から 北京に行くのに、
東京 → シンガポール → 北京 と
わざわざ 遠回りするわけなのですが、
それを たしなめられると、
スゴい 論理をかざします、高々と。


また。
とにかく新鮮な肉でないと効能がないとゆわれ、
いま 鉄砲でバッキューンしたところを
目撃していながら、
「これ、前に しとめておいたブツを
 こっそり 置いといたんじゃないの?」。


この 物事を根源までに突き詰めるアホらしさゆえに、
やはり、「人間は、なぜ笑うか?」を
ギリギリまで 問い詰めた 桂枝雀さんの1席が、
よく マッチいたします。


桂枝雀「池田の猪買い」のオススメ度(☆5つが満点。★は0.5点)
ストーリー  ☆☆☆☆
爆笑度    ☆☆☆☆☆
初心者向け  ☆☆☆☆★


それにしても、典型的な爆笑ばなし ですよってに。
これを、「ちりとて」のヨン様こと、
四草クン、どないなふうに 高座にかけたんでしょうねぇ。
ムッツリしてては、笑い とれませんし。
見てぇ、四草の「池田の猪買い」。