アメリカ版 「WHYのカップ」


今週22週目のテーマ落語は、「はてなの茶碗」。
本日、草々にいさん(桂吉弥)の高座と、再現ドラマで、
前半までが 紹介されていましたが、
展開が早すぎて、ようわからんかったという視聴者のために、
サクっと、ご紹介いたしましょう。
ただし。ただ なぞるだけでは芸がないので
空間も、時間も 人物も 変えて。
題して、「WHYのカップ」です。


ここは、アメリカ最大の観光地ナイアガラの滝。
滝をのぞむロケーションには、古ぼけた喫茶店がございます。
そこで一服していたのが、世界最大の美術オークション会社
サザビーズ」に この人ありとゆわれるキューレター(学芸員
ヒラリー女史(仮名)。
で、目の前の古ぼけたコーヒーカップを、持ち上げたり、透かして見たり。
あげく、「WHY?(なぜ?)」と 言い残して店を出ます。
これを盗み見てたのが、ハワイからアメリカ本土にわたった
ガソリンスタンドの店員オバマ(仮名)。
ヒラリー女史は、「なぜ、こんな名品が こんな店にあるのだろう」と、
思ったんだな とニラみます。
ロイヤル・コペンハーゲンの年代ものか、またはマイセンの逸品か。
有り金の300ドルを叩いて、くだんのカップを譲り受けます。
3日後。オバマくんは、「サザビーズ」本社を訪問。
しっかし。応対したヒラリー女史は、
「ああ、そのカップね。ノリタケの普及品よ。
でも、どこにもヒビが入ってないのに、
 ポタポタとコーヒーが垂れるから、WHY? ゆうたんよ」。
ガーン。ここまでが、前半。


さて。ヒラリー女史は、やはり大物。
「自分の鑑定眼を、そこまで信用してくれるとは」と、
オバマくんに、300ドルを渡して、カップを預かります。
そして、ちょうど招待された
共和党のマケイン大統領の就任パーティの席で、
この一件をお話すると、大統領は、
「そりゃ、面白い。ひとつ、プレセントしちゃおう」と、
マケイン家に代々伝わる 高価なカップケースを進呈しました。
これで、二束三文のカップは、「WHYのカップ」と命名され、
好事家の話題の的に。
あげくのはてには。
マケイン大統領が表敬訪問したイギリスでの 晩餐会の席で、
エリザベス女王に、この話を披露したところ、
「I would like to see it (一度 見てみたい)」。
すぐさま政府専用機エアフォースワンで、バッキンガム宮殿に届けられ、
やはり、コーヒーがポタポタ。
「Great (素晴らしい)」と、大喜び。
ぬあんと、日本のノリタケに依頼して、
英国王室の紋章までも、カップに刻印いたしました。
ジャーン。


刑事コロンボの「ロンドンの傘」で おわかりの通り
アメリカ人は、とっても英国王室好き。
「WHYのカップ」は、
アメリカ人のみならず、
アラブの富豪、シンガポールの政府系ファンド、
中国の食品メーカー社長、「ギャラリー・フェイク」のフジタから
「売ってくれぇ」と オファーが殺到いたします。
ついには、1000万ドルの値がつきまして……。


とゆう 1席です。
フー。サクっと紹介するつもりが、ついつい。
つかれた。