2位「時そば」、3位「たらちね」。1位は?


稀代のコラムニストにして、
もっとも信頼のおける落語の評者である
堀井憲一郎さんが、すんごく興味ぶかいランキングを
こさえて くれはりました。


本日発売の『週刊文春』(1月17日号)の
連載コラム「ホリイのずんずん調査」(70頁)にて、
紹介されましたのは、いわば、
「いま、ここにある落語 トップ100」。


ようするに、この21世紀の日本にて、
どの演目が、どれだけ高座にかかっているか、
堀井さんが足を運んだ寄席・落語会での実体験にもとづいて、
ランキングしちゃった、という試みなのです。


驚くべきは、そのサンプル数。
この4年間で、足を運んだ落語会は、約1200回。
年間300回。1.2日に、1回のハイペースだ。
ナマで聴いた落語の総数は、5200演目。どうだ、参ったか。
雨の日も風の日も 1日に、平均3.6演目を、聴きつづけているわけです。


もちろん 時間のたっぷりとれる独演会とは違って、
持ち時間が15分間と決まっている寄席では、
30分間をこえる 大ネタはやれません。


ですから。「ランク上位作」=「傑作」というわけではありませんが、
少なくとも、前座から真打まで600人になんなんとする落語家が、
持ちネタにして、繰り返し高座にかけているということは、
「ランク上位作」=「定評のある名作」といえるでしょう。
トップ3だけ、ご紹介すると。(カッコ内は、4年間で聴いた回数)


1位 子ほめ (74回)
2位 時そば (69回)
3位 たらちね(52回)


おお。1位の「子ほめ」は、意外でした。
マメ太郎も、幼少のみぎり、柳家小三治さんのカセット盤を
テープがビロビロになるまで、聴きこんでおりました。
「蛇(じゃ)は寸(すん)にして、メメズをのむ。私も、この赤ん坊に、ああ首つりたい、首つりたい」って。今でも、暗記してまーす。


落語「子ほめ」については、2007年12月17日ブログ
→ 「寿限無」芸人の汚名返上? - 「ちりとてちん」徹底解剖ブログ にて
草原にいさんこと、桂吉弥さんのお師匠さんである
故・桂吉朝さんのディスクとともに、ご紹介しております。


かえすがえすも、このデータ、
堀井憲一郎さんの まさに偉業と、痛感いたします。