年収は、100万円なのぉ


2008年1月8日(火)、第81回『ちりとてちん』。
若狭塗箸の代金とか、「寝床」のカレーうどん代とかはありましたが。
今回は、ゼゼコ(=お金)について、へぇぇぇぇ。


ふだんの朝の連続テレビ小説は、つねにお金のやりくりに
四苦八苦して、物語の骨格ともなっていた気がしますが。
はじめて明かされる 落語家の年収!


夫・草々(青木崇高)は、休演者のピンチヒッターとして1席つとめ
新妻・若狭(貫地谷しほり)は、雑用係で天狗座を走りまわり、
手にしたギャラは、金1万円なり。


寄席の台所事情には、門外漢なのですが。
結構、高いのだと……。


でも。1年365日、1日24時間、仕事で埋まるわけないから、
月収は、10万円に届かず。年収は、推定100万円なのですって。
こりゃ、キビしい。
んで、アルバイトとして出演するテレビのワイドショーで、
明日! 何かが、起こるのですね。


さてさて
本日は、ドラマでの落語指導をつとめる 林家染丸さんが、
落語「二人ぐせ」(ににんぐせ)を、披露してはりました。
再現ドラマで、おわかりの通りでしょうし、
NHKの「ちりとて」HPにある 「上方落語 よろず指南」にも
コンパクトに、あらすじを まとめてはりますよってに。
→ http://www3.nhk.or.jp/asadora/topics/06_rakugo/no10.html


マメ太郎は、桂米朝さんの「上方落語大全集 第二期」(東芝EMI)に
収録されている盤を、よく聴いていますが。
感心するところ、あり。


「つまらん」(= 面白くない)といったら罰金という決まりを悪用して、
正解のない詰め将棋を、見せて、
「つまらん」(= 詰みがない)と言わそうとするわけですが。


羽生さんに、渡辺竜王に、森内名人に、
片上大輔・五段(東大法学部卒のプロ棋士)に
尋ねていただいても、答えは同じ。


将棋の世界では、「詰まらん」とは、決して言いません。
あくまでも、「詰まん」「詰まない」です。
わずか1文字の違いなのですが、
ここ、とってもインポータントな点なのです。
そこを、ですね。
米朝の「上方落語大全集」盤では(他のディスクを知らないので、代表として)、

…………………………

だいたい将棋好きは、「詰まらん」とは、いわんやろうけど、
横から「詰まるかな?」と尋ねれば、ついうっかり
「詰まらん」と答えるやろう

…………………………

とゆー具合です。
ほら、昔 やりませんでした?
「ヒラヤマ、って10回、言って」
「ヒラヤマ、ヒラヤマ、ヒラヤマ……」
「じゃ、世界一、高い山は?」
「ヒ・マ・ラ・ヤ」(どや、ひっかからんぞ)
「ブー。エベレストでした」
みたいな。


パブロフの犬を、ちょっとヒネった条件反射を利用して
ことば遣いに、矛盾がないよー 腐心しながら、
それを、サラリと、お客さんにご説明する。
些細なところやけど、こうやって、
1本の落語は、型をなして、固まってゆくわけなのです。


桂米朝の「上方落語大全集」シリーズは、全部で4期分がありまして、
それぞれ、10枚組(税込 2万円)という豪華盤。
参考までに、ご紹介しておきます。
[rakuten:toemifc:10000534:detail]


桂米朝「二人ぐせ」(大全集盤)のオススメ度
ストーリー ☆☆☆
爆笑度   ☆☆☆
初心者向け ☆☆☆★