「親の心、子しらず」っちゅう


業務連絡から。本日12月22日(土)、午後1時45分〜、NHK教育で、三遊亭小遊三さんの「天災」(てんさい)が放送されまーす。http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=501&date=2007-12-22&ch=31&eid=25227

まずは、業務連絡まで。(今朝のアップ時、NHK教育を、「NHK総合」と間違えておりました。すみませんでした)


2007年12月22日放送、第12週目「一難去って また一男」の棹尾(とうび)をかざる 第72回 『ちりとてちん』。
「泣かせの土曜日」と申しましょうか。


破門を覚悟で、京都へと向かったB子(貫地谷しほり)は、雨にうたれ、朦朧(もうろう)とする意識の中で、「おかみさん……」とうわごとを繰り返す草々(青木崇高)に再会します。


そのころ徒然亭には、珍客到来(ちんきゃくとうらい)。ひと目で人格者っぽい万葉亭柳眉(桂よね吉。← おめでとうございます。詳細は、12月13日ブログ今週の「週刊文春」は、読みごたえアリ - 「ちりとてちん」徹底解剖ブログ参照)が、ぬあんと騒動のもとになったイヤ味な男・土佐屋尊建(波岡一喜)を従えて、姿を現しました。
聞けば……。角度によっては山本耕史くんに似ている尊建が、ことあるごとに徒然亭一門の悪口を吹聴(ふいちょう)していたのは、ライバルの草々が高座に立てなくなった悔しさから。ことに一門会をスッポかした草若師匠(渡瀬恒彦)は、ライバルを失わさせた張本人と憎んでいたわけです。


そんでもって、「草々の破門を解いて下さい」。草若師匠は、軽々しく破門を解くことなどできへんといいますが。
こうゆー時に頼りになるのは、やっぱり四草くん(加藤虎ノ介)ですね。いきなり草原にいさん(桂吉弥)の胸ぐらをつかむと、右フックを炸裂させ、「ボクも人をドついてしまいました。破門ですね」。草原にいさんも、四草を張り倒し。
そこへ草々&「走れ B子」の「破門」先発隊もあらわれ、クエンティン・タランティーノ監督『レザボア・ドッグズ』のような混迷をきわめますが。


カオス(混沌)をおさめるデウス・エクス・マキーナ(神さま)は、やっぱり草々師匠しかおりません。草々にビンタをくらわすと、「どアホウ!」。草々は、師匠は他人の自分ではなく、実の息子のチワワちゃん(茂山宗彦)に芸を受け継いでもらいたいと思っているだろうと気をつかったのですが、「いつまでも他人行儀しくさって。ちっとは親の気持ちぃ考え!」。お前は、実の息子なんやぞ。「親の心、子しらず」だったワケです。


渋谷のチーマーみたいな尊建(そんけん)ですら、底抜けにエエ男やったというご都合主義。小次郎おじさん(京本政樹)が京都で偶然、草々を発見。根性なしのいじけ虫だったはずのB子の変容などなど……。アラはいくつも挙げられますが、それらは枝葉も過ぎません。
「ちっとは親の気持ちぃ、考え!」のひと言が、スタン・ハンセンのウェスタン・ラリアットのごとくバーンっと炸裂したら、もうこれはスタンディング・オベーションするしかございません。第7週「意地の上にも3年」に続く、名ウィークと後世にもたたえられるでしょう。セロニアス・文句なしに。