桂米朝 珠玉の名品「鴻池の犬」


運命の年末一門会に向けて、
B子(貫地谷しほり)は、
思い出の持ちネタ「ちりとてちん」で、
お客さまのご機嫌をうかがいます。


そして草原にいさん(桂吉弥)は、
「鴻池の犬」(こうのいけのいぬ)。
ホンマもんの犬をカット割りした
再現ドラマに、
なかなかセンスを感じました。
菓子浩さん発案でしょうか?(昨12月17日ブログ参照)


とまれ、再現ドラマでは、
「101匹わんちゃん大冒険」
みたいなテイストでしたが、
草原にいさんが、しみじみ語った通り、
犬の世界に仮託(かたく = なぞって)して、
運命っちゅうもんを説きはっている
上方落語です。


再現ドラマでは
後半部分を紹介してはりましたが、
じつに聴かせどころの多い噺でして。
後半もいいが、前半がメチャメチャええ。


桂米朝・師匠の
「特選 米朝落語全集」盤(東芝EMI)は
「マクラ その1」からして。
米朝さんの師匠だった
米団治(かつら・よねだんじ)さんの思い出では、
上方落語のたどってきた歴史が、
コンパクトに語られ、またジーンとさせ、
えらい勉強になります。
「マクラ その2」は、
ついている奴、いない奴の定番で笑わせ。
このマクラは、
ちりとてちん」でも
B子の失敗談で、引用されてました。


さて本題に入ると、
再現ドラマまでに3匹(なんです)の
捨て犬がたどってきた犬生(人生やないからね)が
繰り広げられるのですが。
3匹を拾った池田屋さんという商家のダンナさん!
このダンさんのひと言ふた言が、
じつに、ありがたい。
米朝師匠の円熟がかもしだす
あたたかみに包まれます。
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桂米朝「鴻池の犬」のオススメ度(☆5つが満点。★は0.5点)
ストーリー  ☆☆☆☆☆
爆笑度    ☆☆☆☆★
初心者向け  ☆☆☆☆★