「寿限無」芸人の汚名返上?


入門から2年半の間に、
B子は、持ちネタ5席にまで増やしました。
一方、小草若くんは、
15年やって、3席。
この2年半の間には、「寿限無」(じゅげむ)の他に、
2席、憶えたそうですが。
草々にいさんには、


「子ほめ」と「時うどん」やないけ、


とクサされていました。


「時うどん」は、東京では「時そば」。
屋台のそば代を払う段になって、
主人に、時刻を尋ね、
一文(いちもん。お金の単位です)ゴマかすという
軽くて愉しくポピュラーな噺ですね。


一方の「子ほめ」も、
知名度ではおとりますが、
時そば」「時うどん」と同様、
ライトで、理屈抜きに愉しめる一席です。


ですから、草々のセリフには、
「2席おぼえたといっても、
入門まもない噺家が、稽古つけてもらう
ような演目やないか」
という、けーべつが含まれているのです。


辻調理師専門学校でいえば、
「目玉焼きのほかに、
卵焼きとゆで卵の3レシピしか、
でけへんやないか」
といったところでしょうか。


ぶっつけ本番で聴いても、
じゅうぶん理解できる内容ですので、
ここでは、
お世辞(せじ = べんちゃら)を教わった
粗忽者(そこつもの = あわて者)が、
ことごとくハズしまくる
とだけ申しあげましょう。


ここは、草原にいさん役の桂吉弥さんのお師匠、
桂吉朝・師匠の一席はいかがでしょうか?


歯切れのよさ、軽快なテンポ、
そして茶目っけあふれるマクラのおかしさは、
上方落語の正統派ともくされた
桂吉朝・師匠ならではです。
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桂吉朝「子ほめ」のオススメ度(☆5つが満点。★は0.5点)
ストーリー       ☆☆☆
爆笑度(特にマクラ) ☆☆☆☆
初心者向け      ☆☆☆☆☆