ドラマチックやなぁ


2007年11月23日(金)の第47回「ちりとてちん」。
今日は親子3代にわたる縁(えにし)が明らかにされました。


ひとりで落語の勉強にはげむB子(貫地谷しほり)は、ついに高熱を出してバタン。
運よく、大阪に赴いたお父ちゃん(松重豊)に発見され、大事にはいたりませんでした。

で。草若師匠(渡瀬恒彦)は、「ところでお父さんは、なぜ大阪に?」。
あれほど入門には反対していたお父ちゃんは意外にも、「娘を弟子にして下さい」。そして小浜市民会館でのカセットテープ「愛宕山」を差しだします。

「この噺、私も父と一緒に会場で聴いていました」。
昭和43年10月6日に草若・師匠が口演したものでした。
そして! ファンファンファーン(回想の効果音)。

草若師匠に、20年前の記憶がよみがえります。


高座を終え出入り口の前を通りかかると、職員とモメている初老の男性が。

草若「どないしたんですか?」。
職員「いや、この方が、今日の噺、カセットテープで欲しいというのです」
草若「録音はとってますのか。それなら差しあげたらいかがです」


初老の男性は、満面の笑みを浮かべながら、
「ありがとうございます。私は若狭塗り箸の職人ですけど。今日は、息子が私の跡を継ぐと言ってくれた特別な日なんです。だから、どうしてもここで聴いた噺を今日の記念にいただきたくて」。


初老の男性とはもちろんB子のおじいちゃん(米倉斉加年)。
たったひとつの落語が、祖父・父の絆をふかめ。奇しくも(くしくも)カセットテープに残された噺が、20年後に娘の人生を大きく左右していたわけなのです。


上方落語の大御所・笑福亭仁鶴師匠の名セリフを、さあご一緒に。せーの、
「ドラマチックやなぁ」(← 古ぅ)。