「愛宕山」が、いかにしんどいかといえば

11月16日(金)放送の第41回。
ついに謎がとけました。そして事態は急展開しました!

草若師匠が高座をすっぽかした理由は、奥さんの余命を知ったから。夫婦愛があったればこそと知らされた息子・小草若は、いま一度、実父である師匠のもとに戻り、3日後に控えた一門会への参加を決めました。まずは、めでたし。

そして。一番弟子の草原は小草若に、一門会で「愛宕山」を演ずるように命じます。
寿限無」しかできない噺家が「愛宕山」にチャレンジするいうのは、さしずめ中学校1年の英語力で、ニューヨーク・タイムズ紙を読むようなもの。
草原は、「あと3日あるやないか」といいますが、さて。


愛宕山」は、2部構成の物語と思って下さい。
幇間(たいこもち)の一八(いっぱち)が旦那に連れられ、芸者・舞妓とともに、山を登るまでが前半部分。
後半は、旦那が余興でほうり投げた小判を追って、一八が谷底へ飛び降ります。小判を拾うて、やれ嬉しや。でもみなが待つ山腹に戻る道がなく……。

この「愛宕山」。どこが厄介かといえば、
ハメモノ(お囃子や鳴り物)と呼吸が合わねばならない
・ 山道や、景色、空気など野外の様子を、観客に実感させねばならない
・ 小判をほうり投げる旦那はんを、嫌味なく演じなければならない
・ オチの谷底からの生還に、緊迫感とユーモアがなければならない
・ 野がけ(ハイキング)に行く噺だけに、座ったままで山登りや土器(かわらけ)投げを再現しなければならない

無事、小草若は演じきることができるのやら。
明日(土)は、一門会当日か? それとも来週まで引っ張るのか?

愛宕山」のオススメ度(☆5つが満点。★は、0.5点)
ストーリー  ☆☆☆☆☆
爆笑度    ☆☆☆☆★
初心者向き  ☆☆☆☆

(了)