上方落語の四天王(その3) 桂春團治


長らく間が 空いてしまいましたが。
シリーズ「上方落語の四天王」。


(その1)は、笑福亭松鶴
→ 上方落語の四天王(その1) 笑福亭松鶴 - 「ちりとてちん」徹底解剖ブログ


(その2)は、桂文枝
→ 上方落語の四天王(その2) 桂文枝 - 「ちりとてちん」徹底解剖ブログ


(その3)は、桂春團治
「芸のためなら、女房も泣かすぅ」の
春團治は、初代。
ここでご紹介するのは、三代目。
二代目の息子さんですが、
初代と二代目には 血縁はございません。


桂春團治(かつら・はるだんじ)。
昭和5年生まれ。


春團治・師匠は、なんといいましょうか。
「ないない尽くし」で申しますと、


・ マクラなし
・ 愛想(あいそ)なし
・ 笑顔なし


そんなんで、落語家がつとまるんかといえば。
つとまるんですねぇ。


ズバリ、その芸風をいえば「スタイリッシュ」。
ロレックスではなく、
カルティエですかな。
ぜんぜん 自分でもゆうてる意味
わかりませんが。


とにかく、この人、「なに、こんな不機嫌やんねん」と、
聴く者をハラハラさせながら、
長屋のおかみさんと、だらしない亭主を、
抑制(抑揚ではないんです)のきいた声色で聴かせ、
ちょっと ウットリとさせてくれはります。


抑えた色気が 魅力なんですなぁ。
ちなみに容貌は、元ピアニストにして、
現・指揮者のクリストフ・エッシェンバッハに 似てはります。
シューマン:交響曲全集  ブルックナー:交響曲第6番&サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン」

春団治 三代(6)


エッシェンちゃんは、いまパリ管弦楽団の首席・指揮者。
「パリ」と、華やかなりし「大阪」。
そんな、貴族趣味を感じさせてくれる
噺家さんです。


なにせ、「話芸」っちゅうくらいですから、
マメ太郎は、ほんらい落語は CDにて愉しんでおりますが、
春團治はんだけは、DVDを。


「平成 紅梅亭 特選落語会」シリーズの
上方落語の真髄 大御所の会』。

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こっけい噺「代書屋」でご機嫌をうかがってますが、
DVDをイチオシしたのは、ですね。


● 羽織を脱ぐ仕草


これ でんねん!
落語の途中で、羽織を脱ぐ。
これがですねぇ、絶品 なんです。


● ス、ピ、ピシャ!


ス(腕を袖口に) → ピ(引っ張る) → ピシャ(脱げる)。
この間、コンマ4秒。


マメ太郎は、ご幼少の みぎり、
春團治さんの羽織脱ぎを真似して、
丹前とか ドテラで 試しましたが、
うまく行きませんでした。
当たり前です、
上等の着物に、
糊(ノリ)をようけ、きけせてないと、
ああは、いきません。


ここでは、羽織脱ぎだけしか 紹介でけませんでしたが、
一事が万事(いちじが、ばんじ)、塞翁が馬ぁ?
噺における、その折り目ただしさも、
ご理解いただけましたでしょうか?