道具屋 すなわち フリマ


秀臣さんが、ナゾめいた ことばを残した
正平の塗り箸を 手にして。
ロッキー小次郎は、「どや、この塗り箸。値打ちものやろ」と
道具屋をハシゴしましたけんど、
結果は、推して知るべし。引いたら、わからん。


で、「道具屋」ですけど。
最近は、このことば、メッタに使われんように
なりましたなぁ(← 桂米朝さんの常套句)。
古美術商、骨董屋とも、ちょっと違う。
むしろ、最近のことばですと 「フリマ」。
シルビィ・ギエム? そりゃ、プリマ。
ちょうちん? そりゃ、ブルマ。
フリーマーケット でんねん。


はてさて。
その名もズバリ、「道具屋」という落語がございまして。
CDの解説によりますと、


与太郎ものの ひとつ。
筋が単純で、誰が聴いてもわかりやすい。
くすぐりやギャグがたくさんあり、
高座にかけて、儲かる噺である。


フリマの 一日のスケッチ風景と申しましょうか。
我らがヒーロー与太郎が、失敗に失敗を重なるゆう
ストレートな1席です。


客と道具屋による 会話オンリーですので、
ふくらまそうと思えば、
どこまでもパンパンにふくらみますが、
あまりにゴテゴテさせすぎると、クドい。
ステーキに 海老フライに 舌ビラメのムニエルと続くと、
次第に げんなりしてしまいますね。



その点、桂三木助(三代目)が てがけた
「NHK落語名人選」シリーズ(ポリドール)の1席は、
アジの開きに 卵焼きに 梅干という シンプルな組み合わせで
何回聴いても 飽きがこない。

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アマタからっぽにして、ゴロンと横になって、
脇で流しておくのに、最適です。
100年安心プランと申しましょうか。
昭和35年の収録で、
いい意味のオールド・ファッションスタイルでございます。