志保さんも 始末な人やったさかい


本日放送分。小草若(茂山宗彦)が、
仏壇屋の菊江さん(キムラ緑子)を訪ねるシーンで、
草若師匠(渡瀬恒彦)が おかみさん(藤吉久美子)と
一緒の仏壇に 奉っていることがわかりました。
(ところで、仏壇には、「奉る」でええんですか?
 「飾る」のは、お供えですよね。なんて、ゆうのでしょう)


ツー・パーソンで、ワン ・ お仏壇。
ちょっとケチったかな と自責する小草若に、菊江さんは、
「志保さん(おかみさん)も、始末な人やったさかい」


東京ではあまり使いませんが、
「始末」ゆうのは、「節約」ゆう意味です。
この「始末」には、類義語が いつくもございます。


もったいない、倹約、ケチ、吝嗇(りんしょく)
しまり屋、意地汚い、セコイ、欲得、けちん坊


文学的修辞になりますと、
因業おやじ、人の顔をした鬼、ごうつくばり


落語的修辞では、「六日知らず」(むいかしらず)。
これはですね。
1日、2日、3日……、と指折り かぞえた折、
5日(いつか)までくると、指がぜんぶ 曲がっている。
せっかく 自分の掌(てのひら)に収めたんやから、
また、外に出すのは、もったいないっちゅんで
6日目を よう かぞえられん。
だから、「六日知らず」というワケです。


こんなケチ話の 集大成ともいうのんが、
「始末の極意」(しまつのごくい)。
名作というわけでは ございません。
ただただ、延々と、ケチ話が、これでもかと続きます。


桂米朝・盤は、ちょっと古風な趣向。
ファースト・チョイスには、ケチ話が疾走する
桂枝雀・盤が、よろしいかと。
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マメ太郎が好きなエピソードは、
タダにして、いかに具だくさんのお味噌汁を(しかも美味)
こしらえるか(しかも5日分)、です。
人間心理やら、食品表示やら、いつの世にもかわらない
ビミョーな間隙をついた 痛快なワル知恵でございます。


桂枝雀「始末の極意」のオススメ度(☆5つが満点。★は、0.5点)
ストーリー  ☆☆☆★
爆笑度    ☆☆☆☆    
初心者向き  ☆☆☆☆