うちの娘は、ボテレンじゃ〜!


2008年1月17日(木)、第89回『ちりとてちん』。
ひとり娘の 妊娠が発覚  in 魚屋食堂。
父(久ケ沢徹)はカッカ、母(松永玲子)はオロオロ。
気丈にも、順ちゃん(宮嶋麻衣)は、
「友春(友井雄亮)は、若狭塗箸製作所の跡取りだから、
 結婚はでけへん。別れよう」。
おまけに、民間の信用調査機関「帝国データベース」北陸支社によると
若狭塗箸製作所の経営が、マズい とのマル秘情報もあり。
追いうちをかけるよーに、秀臣社長(ゴ〜ル)は、
友春から「妊娠の責任をとるで、製作所は継げん」。
やすやすと 実の親を捨てると宣言する長男に、
かつて 正太郎(米倉斉加年)と小梅ちゃん(江波杏子)のもとを
出奔した わが身が 重なります。
「演出:吉田務さん」、いいかも。すごく人情味 厚いよぉ。


さてさて。もしかしたら、もしかしたら。
幸助さん(順ちゃんの父ですね)、ケロっと、
「なにはともあれ、ややこができるゆーのは、
 めでたいもんや。みなで焼きサバ 食べよ」 と
あっけなくOKかな、という予想も立てておりました。
そんな具合に、未婚の娘の妊娠を、手ばなしで喜ぶ
オプティミストおやっさんが、おりまして。
あっ、落語の世界で、ですが。
「植木屋娘」とゆー 上方落語の有名作なのです。
もっともドラマ「ちりとて」とは、相手のタマがちゃうんですけど。


植木屋のおやっさんは、ひとり娘のおみつ(17)が 大の自慢。
近くのお寺に預けられている 伝吉さんと夫婦(めおと)に
しようと 住職さんに かけあいますが。
伝吉さんは、将来 500石の家督を継ぐ 武家の身。
キッパリと断られますが、近くて近きは、男女の仲。
おみつが、伝吉さんとの ややこを 身ごもりますのです。
これを聴いた おやっさん
「♪うちの おみつは、ボテレンじゃ〜!」×2
と 歌い踊り、興じます。筋金入りの アホです。


おやっさんのハジけぶり、桂枝雀の独壇場でしょう。
さらには。枝雀さんの話芸は アホなおやっさん系に 
がぜん輝きを 増すのですが。
娘おみつの身を案じ、やさしくも キビしく
お腹の子の父親を問いただす くだりなど
おかみさんの細やかな母心に、ホロっ なのです。


桂枝雀「植木屋娘」のオススメ度(☆5つが満点。★は0.5点)
ストーリー   ☆☆☆
爆笑度     ☆☆☆☆☆
初心者向き   ☆☆☆★
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なお。上方落語愛好歴の長い
「ジャッキーかなめ」さん(職業:イギリス貴族)に
よりますと。枝雀さんの「植木屋娘」は、
前名の桂小米(こよね)時代んのが、
二代目・枝雀襲名(昭和48年10月)以降のんを凌駕する
爆笑系だったとのこと。
昭和48年以前の 小米時代の「植木屋娘」を
お聴きになったことのある方、
そーでいらっしゃいました?