「貧乏 ヒマあり」地獄


2007年のラスト3。
12月26日(水)放送、第75回「ちりとてちん」。


天狗座での拍手喝采が認められ、
B子(貫地谷しほり)が、こらえてきた
3年間の内弟子修業も、除夜の鐘とともに、
年季明けすることになりました。


ところが。
アパートさがしに、まずはひと苦労。
家賃2万円では、ロクな物件がござりません。


おまけに。
あに弟子からは、「貧乏に、耐えな」と脅され。
奈津子さん(原沙知絵)からは、「貧乏はまだマシ。ヒマなのが」。
考える時間があればあるほど、
仕事がなかったらどうしよう、
いまさら実家には戻れないし、と、
悲観的マイナス思考に陥るのだと、
これまた脅されます。


夢に、「女流落語家、孤独な死」という
新聞記事が踊り、
ハっと目をさまします。
草々(青木崇高)に、
「このまま、ここで住むわけにはいきませんか」と
泣きつきますが、
「誰もが、一度は通る道や」と諭され。


想い出します、マメ太郎も。
18歳で、はじめてひとり暮らしを始めた時のことを。
翌朝、ハっと目覚めると、
まずトースターが目に飛びこんできました。
狭ーい部屋でしたので、枕元のすぐそばに
食器だの、台所用品だのが置いてあったのです。


「ああ、ひとり暮らしなんだ」
そう思うと……、胸にあついものがこみあげ、
思わず、ガッツポースをとりました。


風呂なし、電話なし、
共同台所に共同便所にして、
怠惰で単調な ひとり暮らしでしたが、
いやぁ、懐かしいなぁ。


とまぁ、こう言えるのも、
歳月が、すべてを美化させてくれるからで。
心細かった気持ちが、
どこかにあったんじゃないかと
思います。たぶん。


でも。
「ウキウキ気分」と「トホホ気分」の割合は、
うーん、やっぱり、
「94 : 6」 だな。