金原亭馬生の 「笠碁」


おお。今日は、「棋聖戦」7番勝負の
第6局ではないか。


棋聖」(きせい)とは、7つある囲碁のタイトルのうち、最高峰。
「名人」「本因坊」(ほんいんぼう)より、格が高く、
現タイトルホルダーは、山下敬吾棋聖
挑戦者は、ボヤキの天才 趙治勲・十段。
ここまで、山下棋聖の3勝2敗。


と、前ふりしながら、
囲碁を題材にした落語も、ございまして。


なんと唐突なのでしょう。
でも、でもですね。
このブログ、そもそも、
ドラマ「ちりとてちん」に即した
演目、噺家のエピソードを散りばめつつ、
落語について詳しくない「ちりとて」視聴者に、
落語ワールドを お知らせするつもりで始めました。


ですから、基本的に、ブログ更新は、
キリのいいところで、3月いっぱいまでの予定なのですが、
まだまだ、紹介しきれない演目あり、噺家あり。


というわけで、強引にゴーイング・マイウェイというわけで、
「ちりとて」の展開とは 無関係に
これからも、突然、オススメ落語が出てくる可能性、大。
あと、あとですね。
「超私的おすすめベスト10」とゆうのも、
3月31日までに、ご紹介いたしたく存じます。


話は、囲碁に戻って。
碁を扱った落語で、ポピュラーなのは、
「笠碁」、そして「碁どろ」に尽きるでしょう。
本日は、「笠碁」の方を、ご紹介。


碁敵(ごがたき)、つまり、ライバル物語です。
要するに、ヘタの横好き同士が、
ちょっとしたことで大喧嘩になり、
でも、やっぱり仲直りするという1席ですが、
なんちゅうか、いいもんだな、友達はみたいな
清々しさに、自然に笑みが こぼれて参ります。


で、この「笠碁」。
誰がなんといっても、
故・金原亭馬生(きんげんてい・ばしょう)さんなのです。
十代目です。
現在、お弟子さんが、十一代目を継いでいます。


「笠碁」といえば、馬生。
ですから、近所の魚屋では、
カサゴのことを、「馬生」と符丁(ふちょう)してます。
ウソですけど。


十代目の馬生さんは、落語界のサラブレッド。
父は、古今亭志ん生さん。
弟は、古今亭志ん朝さん。
ちなみに、お嬢さんが、女優の池波志乃さん(中尾彬さんの奥さん)。


弟が、太陽ならば、
兄は、月。
けっして卑下した表現ではなく、
重厚で、落ち着きがあって、陰翳にとみ、
黒塗りのロールスロイスみたいな 安定感があります。


そんな馬生さん だからこそ、
分別ざかりのダンナさんが、
碁のことになると、カーと頭に血がのぼる
その落差が、おかしみを増幅させるわけです。


マメ太郎は、ポリドールの「NHK落語名人選」シリーズを
愛聴していますが、
見つかりませんので、
参考までに、コロムビア盤を あげておきます。


金原亭馬生名演集(1) 笠碁/文違い

金原亭馬生名演集(1) 笠碁/文違い

金原亭馬生「笠碁」のオススメ度(☆5つが満点。★は0.5点)
ストーリー    ☆☆☆★
囲碁ファン納得度 ☆☆☆☆☆
初心者向け    ☆☆☆☆