「ピーチク・パーチク問題」(その2) 前回までのおさらい


・ 現行の上方落語では、「愛宕山」の野わけに行くシーンを、「空ではヒバリが、チュンチュン」と演じている
・ しかし、ドラマ「ちりとてちん」では、草若師匠(渡瀬恒彦)が、「空ではヒバリが、ピーチク・パーチク、ピーチク・パーチク」と演じている


・ こうアレンジしたのは、渡瀬恒彦さん。
・ 雑誌「ステラ」12月21日号でのインタビューで、
「ひばりはチュンチュンと鳴かないですよね。それはすずめですよね、(中略)僕は細かいことが気になる性分なので、それで非常に気持ちが悪くて、お願いして『ピーチクパーチク』に変えてもらったんですよ」(18ページ)と、答えている。


・ はたして、このアレンジは妥当だったのか?
・ のどかな春、京都の郊外に出かけようという風景について、「ピーチク・パーチク」は、うるさい。しかも、2回のリフレインは、くどい。そもそも、ヒバリが「ピーチク・パーチク」と鳴くというのは、熊本民謡「おてもやん」の歌詞に由来しているに過ぎないのではないか。
・ とはいえ。人から人へ、口づたえで伝承されてきた落語だけに、受けとる落語家の感性も十人十色。「ヒバリは、チュンチュン」でなければ、ダメだというのは、極論ではないか


詳しくは、12月23日ブログ「ピーチク・パーチク」問題 「ピーチク・パーチク」問題 - 「ちりとてちん」徹底解剖ブログを、ご参照下さい。


ここにおいて、問題は、3つに分類できそうです。


・ ひとつ目は、ピーチク・パーチク×2 が、「愛宕山」ワールドにふさわしいかどうか、という「フィーリング」について。
・ ふたつ目は、ドラマとして、アレンジが妥当だったかか、どうか。「NHK大阪」篇です。
・ みっつ目は、落語のとらえ方。原典を尊重するべきか、アレンジを容認するか。いわば、「哲学」篇でございます。