羽ばたけ、「ぽっぽ」!
時は、忘年会シーズン。
「ちりとて」組でも、開かれたのですが。
ぬあんと、ヒロインのB子が仕切りを命ぜられたそうです。
たったひと言、こー、ゆわれて。
「幹事や(貫地谷)、しほり」
ちゃんちゃん。
2007年12月24日(月)放送、第73回「ちりとてちん」。
前半の最終週を飾る 13週目「時は鐘なり」のスタートです。
入門3年目で、初の大舞台になる天狗座での徒然亭一門会。
お母ちゃん(和久井映見)を筆頭に、
小浜・和田組一同が見守る中、
B子(貫地谷しほり)が、「ちりとてちん」を
口演いたします。
「この高座がうまく行ったら、年季があけます。
みなさんの笑いにかかってるんです」
なんて、マクラにふっちゃって。
あっ、落語「ちりとてちん」については、
「ちりとてちん」は、スクランブルエッグ? - 「ちりとてちん」徹底解剖ブログ
権太楼の「ちりとてちん」を - 「ちりとてちん」徹底解剖ブログ
など、過去ブログをご参照下さい。
さてさて。ここがドラマの難しさで。
・ B子がうまく高座をつとめ
・ 無事、年季明け
・ そんで、次なるステップへ
という運びになるのでしょうから、
肝心の本日放送分の落語「ちりとてちん」が、
ヘタやったら、ドラマ的リアリティなく、
次へのステージには、ようけ、あがれません。
その点、本日のB子は……。やるじゃん。
ええ、できでした。
安心して見てられました。
B子、落語家としても成長したんですね。
3年間の落語家修行を、チマチマと描写せず、
ポーンと、いっちゃん象徴的な場面で表現する。
チェーホフの静劇的要素と、
蜷川幸雄の一点豪華主義をミックスしたよーな
前半部分のフィナーレとなりました。
第13週目は、「時は 鐘なり」。
このシーズン。「鐘」といえば、そりゃもう……。
昨日、近所の本屋さんに参りまして、
冬休み読書用の本を買いこんだのですが。
何気なく目にした「ステラ」の表紙に、
「ちりとてちん
●●●に、●●が」
なんてゆう、スゴーい、
象徴的なキャッチコピーがならんでおりまして。
まるで、ワクワクしながら、
「刑事コロンボ」にチャンネルあわせたところ、
解説のシベリア超特急が、
「犯人はですねぇ、完全犯罪にも、ある証拠を残すんですね。
遺体のすぐそばに……、この場面をお見逃しないように」
なんて具合に、肝心な部分をみーんなバラしちゃって、
キャビアぁ……、もといチョウザメぇ……、
もとい、興ざめぇ
なんてホロ苦い体験を、ちょっと思い出しました。
さてさて。
若手落語家のすがすがしさといえば。
半年ほど前、東京都内のホールで行われた
「春風亭小朝独演会」での記憶がよみがえります。
トップバッターで登場したのは、
うわ若き、かわゆらしい女流落語家。
小朝師匠に弟子入りして、まだ間もない
春風亭ぽっぽさん、でした。
これがですねぇ。
サンダー・ドルフィンや、
タワー・オブ・テラー並に、
心臓がバクバク。
マメ太郎も長年、落語を聴いておりますが、
落語を聴いて、ハラハラドキドキしたのは、
これが初めてです。
「転失気」(てんしき)という前座ばなしでしたが
(この落語については、→ 「寿限無」しか でけへん。て、それって - 「ちりとてちん」徹底解剖ブログ 参照)
まだ舞台なれしていないため、
会話の途中で5.7秒の沈黙がながれたり、
目が、落語の神さまにヘルプをもとめてたり。
1000人の聴衆は、手に汗にぎり、
固唾(かたづ)をのんで、
心の中で、「がんばれ、ポッポ」と声援を送ります。
15分間後、無事、オチにたどりついた瞬間には、
紫城るいちゃんのサヨナラ公演の挨拶でも
かくばかりの、というほど
場内われんばかりの拍手が巻き起こりました。
とまれ、ひと目で観客の目を釘づけにできる
華やかさや愛くるしさは、
誰にもマネできない天性の強み。
精進して、鳩のように大空を
羽ばたいて欲しいと、
かげながら、応援しておりますです。